なぜ大人になると
ADHDは苦しくなるのか
子どもの頃は許されていた特性が、大人になると「評価対象」に変わる。苦しさの正体と、そこから抜け出す考え方を解説します。
なぜADHDは大人になると苦しくなるのか。結論から言うと、ADHDの特性が「個性」では済まされなくなるからです。
子どもの頃は、忘れ物しても、遅刻しても、周りがフォローしてくれていたはずです。
「許されていた特性」が評価対象に変わる
でも大人になると、今まで許されていた特性が、評価対象に変わってしまいます。
評価が変わる例
- 時間を守れない → だらしない
- ミスが多い → 仕事ができない
- 落ち着きがない → 空気が読めない
そして日本社会は「建前と本音」「忖度」「マナー」など、ADHDが苦手な言語化されないルールが山ほどあります。そして苦手なことが増えてくると、失敗を恐れて自分を抑え込みながら生きる時間が増えていきます。
二次障害のリスク
そして結果的に、仕事に行くのが極端につらくなる、ささいなことで不安を感じやすくなる——これを二次障害のリスクといいます。
では、どうすればいいのか?一番大切なのは、「100点を目指すのをやめること」です。
ADHD傾向の強い人ほど、仕事でも人間関係でも「失敗しないように」と、100点を目指しがちです。これは過去に失敗してきた経験から、「普通の人と同じ土俵に立つには、100点を取らないといけない」という生存戦略です。
でもADHDの特性上、生きていく上で「どんなに頑張っても解決しない」ことは沢山あります。
🎯 実践編
当てはまるものをタップすると、対処法が出てきます(複数選択OK)
仕事
資料作成やタスクを完璧にしようとして、時間をかけすぎたり提出が遅れたりする場面。「60〜70点で提出してフィードバックをもらう」方が結果的に早く終わると割り切ってください。完璧を目指す前に、まず終わらせることを優先しましょう。
家事
掃除や料理を完璧にやろうとして疲れ果て、逆に何もしたくなくなる場面。「ここだけやればOK」という最低ラインを先に決めておきましょう。全部を完璧にこなす必要はないと自分に許可してください。
育児
「良い親」であろうとして、全てに全力で応えようとしすぎて疲弊する場面。「今日は60点でいい日」と決める日を作ってみてください。完璧な親より、機嫌のいい親の方が子どもにとってもいい場合も多いです。
身だしなみ
毎日完璧なコーディネートや身支度をしようとして、朝の準備に時間がかかりすぎる場面。「これを着れば大丈夫」という定番の組み合わせを何パターンか決めておきましょう。毎日ゼロから考えなくて済むようになります。
もしあなたがADHDの当事者でしんどさを感じているなら、周りに頼ったり、あえて手を抜いたり、60点〜70点を目指すことを意識してみてください。
そして60点で許されないような環境なのであれば、環境を変えてみることをおすすめします!
ADHDにとって大切なのは「自分を変えること」ではなく、自分に合う環境を見つけることだからです。
100点を目指すのをやめて、まずは60点を目指すことから始めてみてください。